兄の声

私の兄は岩手県の盛岡市に住んでいます。
県内のとある都市のFMラジオ局に勤めています。
今回の震災で、自宅マンションに大きな被害はなかったようですが、
最初の一週間は交通の足を奪われ、帰宅することができず、
自家発電設備のある市の災害対策本部に泊り込みながら、24時間体制で地域の人たちのための情報を発信し続けていたようです。


兄は大学卒業後、東京の某テレビ局に就職、記者からスタートし、他局のアナウンサーへの転職を経て岩手に開局したテレビ局のアナウンサーとして東北に移住して20年余・・・
さらに開局したてのコミュニティFM局に入局してからは、地域の住民にもっとも近い"声"として地元に根ざした活動を重ねてきました。
学生時代から劇団を旗揚げするなど、行動力のあった兄。
東京にいる私と母はただただ兄夫婦の身を案じることしかできません。
メールも通じますが、兄のリアルな感情を垣間見ることができるのが、ブログです。
震災後もまめに更新しては、東北の現状を伝えていますが、最近の記事のほとんどは、東京のマスコミに対する批判・・・
最新は日曜日のMr.サンデーに対するコメントでした。


「東京の水の放射能汚染について、声高に安全だと叫ぶクリステルとみやね屋。
完全に東京の人のための放送。そんなことはローカルでやってほしい・・・。東北の被災地の人ならだれでもそう思うでしょう。

 この番組だけではありません。全国放送でやるニュースのトップはいつも福島原発。
ワイドショーのネタはいつも東京の水の汚染や計画停電の話ばかり・・・。
ニュース項目を立てる報道デスク経験者として、それをトップに持ってくればおさまりがいいのは理解できる。
依然として進展のない津波の被災地・・・ネタとして成立しにくいのでしょう。もちろん福島の原発が予断を許さない状況であることも事実です。

 でも、それでも、あなたたちには「ふざけんな!」と言いたいのです。

 今、必死で全国に伝えるべきことは、他にももっとあるでしょう?三陸沿岸を始めとした被災地は、阪神大震災をはるかに上回るエリアで街自体が消滅しているんですよ・・・。産業も壊滅的な打撃を受けているんですよ・・・。

 番組ではホウレンソウの放射性物質の量を科学的に測定し、茨城などの野菜はやはり規制値を大幅に超える数値が出たことを紹介していました。薄笑みを浮かべながら解説するみやね屋。安全な所にいる人のお客様的な解説は誰に向けての放送なのでしょう?
 東京のマスコミは、風評被害が心配だと強調しますが、彼らが風評被害を拡大している側面もあるのではないでしょうか?


~中略


東京のテレビ局は今頃になって、津波や悲惨な映像を繰り返し見たスタッフがPTSDになっているとして、対処が必要だと言っているようですが、それをさんざん見せられた被災地の人の精神状態こそまずは心配していただきたいところです。知る権利に応えることは確かに重要ですが、知らされる側への思いやりと配慮に欠けた報道は、時に暴力になってしまうことをそろそろ学習してください・・・」


かつて身を置いていた首都の報道への痛烈な言葉にこもる力は、被災地の人たちの声にならない声なのかもしれません。


今朝も自転車で出勤しながら、見慣れた住宅街の家々を眺めながら、
一瞬にしてこの風景も住まいも思い出の品もそして家族も失ったら・・・と考えました。


「なんにしても生きることだ・・・」
年配の漁師さんがインタビューに答えていました。


同じ日本人として、
同じ時代を生きる一社会人として、
そして家庭人として、
手探りでいいから今日を明日を生きていきたいです。



Yuka.I

  
リノベーション・マンションリフォームのマスターアート      リノスタイル社長日記
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